インド　グジャラート　アップリケ 工芸品

65×64(cm)導入画面1)から順次伝わる作品の風合いは，ご覧のとおりですが、縁部分写真4)では使用綿の素朴な織り目と絶妙に色褪せても尚目を楽しませてくれる色のコンビネーションをごらんになれます。「華」ではなく「花」の漢字を当ててみるのがいかにもふさわしい可愛らしい花たちの中心のニオイ(京友禅の彩色師が使う業界用語)には生絹の使用箇所もあります。配色、意匠、作り手の運針のリズムから受ける印象は全体的におおらかです。写真7)は刺し糸のはほつれをお見せしています。欠点とすべき箇所ですが、永年使われていたこと，すなわち誰かの「お気に入り」の一枚だったことの証としてご覧になっていただければと思います。インド亜大陸北西部，ラジャスタンよりは南、染織の宝庫グジャラート州から当方の元へ縁を繋いでやってきてくれた一枚です。染織に携わったこともあってか、「染め」「織り」「紋様」などなどへの興味は旅の目的地の選択リストからは外せません。民俗学などという概念も知らなかった頃からわずかな情報に好奇心の触手を伸ばして得るワクワクする気持ちは，結構その後の一生に道筋を開拓する糧となるものです。幸いに、印度訪問の好機に恵まれ、受け売り知識にほんの少しの私的見解を付加することでより広い鑑賞分野での楽しみを会得した実感があります。特定の風土が特定の「モノ」を創り出す。当たり前のように聞こえるでしょうか？エスニック文化の消滅が促進されると同時進行しているグローバル規模で席巻する「トレンド」が一律世界を目指す勢いです。家族のために紡ぎ、織り、縫い，また繕う、、セピア色の家族写真以前の世界観かもしれませんね。出品の小品でさえいつかはとんでもなく貴重な手仕事の証になるのは確実です。良縁をえてお譲りできれば幸いです。

商品の情報

カテゴリー	その他 > アンティーク/コレクション > 工芸品
商品の状態	やや傷や汚れあり