おはなし玉手箱　～フリーター、家を買う。首痛ァー、車を買う。②～ クラフト/布製品

こちら
夏の海水浴場に決まって出没する
重低音車のウーハーをお手本に
色紙で折った「玉手箱」の出品です。
中には子供がイタズラで入れてしまった
おもちゃが入っているかと思いきや
中身のないおはなしが入っています。
語り部はケンウッドストック
大音量を聞きすぎたのか
やたら黄色いです。

こちらの玉手箱
思いの外
色鳥どりに出来ましたので
小物入れにいかがですか？

サイズは縦8cm×横8cm×高さ4cm
お気に召して頂けましたら
折りたたみ、封筒に入れ
郵送で送らせて頂きます。

なお、ケンウッドストックは
1969年に舞い戻り、
ジミーヘン鳥ックスと
最後のトリを務めなくてはならない為
お付けできません
ご了承下さい。


中身のないおはなしはこちら↓


数週間後の明け方4時
今度は高そうな羽枕を小脇にかかえ、
真紅のコルベットの横に立っている画像が
送られてきた。

コルセットは取れたようだが、
首が相当痛かったんだろう。
柔らかい羽枕が必要だったようだ。
「高そうな羽枕ーレンだな。
いくらしたんだ？」
とテンプレを返すと
「いつになったら
コルベットの値段を聞いてくれるんだ」
とまた不服そうな様子だった。

首をいわして
コルセットでコルベットに乗る様な男は
次には
枕を抱えマクラーレンに乗るがいい。

そん時には素直に車の値段を聞いて
羨ましがってやんよ。

金持ちの友人は
絢爛豪華な生活をしているにもかかわらず
どうしてだか、
友人達に気の毒がられている。
友人間では
「金持ちなのに
金で買える幸せすらも掴めない男」
としてもっぱら評判だ。

中学時代のどうしても捨てれないと言う
ジャージを着、ボサボサ頭の無精髭、
ホームレスの様な風体、
しかし意外に風呂好きで、
不潔な見た目からは想像もできない
清潔なフレグランスを漂わせ、
首にコルセット、片脇に羽マクラーレン
颯爽と真紅のコルベットに乗り、
羨望の眼差しを向ける人間どころか
カラスさえいない早朝の銀座を滑走する
その姿はもはや
トンチンカンな車泥棒にしか見えない。


高級車を買うより先に
彼からは「古女房」、
友人達からは「性悪女」と呼ばれている
中学時代からのジャージと
離婚することが先決なのではないかと
皆言っている。

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